雑記帳

沖縄と民俗と言葉と本と

体罰アンケートについて

 

 

 

 

 こんなニュースがありました。

 県内小中で体罰37件 昨年4月〜ことし1月 - 沖縄のニュース - 都道府県 ...

 

 また、こんなアンケートが学校でありました。

 

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 写真では見えにくいとは思いますが、「体罰の実態調査の協力について」という題名がついています。

 

 アンケートの協力願いとしては、

 「昨年末、大阪市内の高等学校において、部活動中の体罰が背景と考えられる高校生の自殺が発生するなど、教職員等による児童生徒への体罰について、沖縄県教育委員会としても重く受け止めております。

 つきましては、学校等で児童生徒に対する体罰の実態を把握し、体罰の禁止の徹底を図るため、教職員のみならず、児童生徒と保護者に対し調査を行います。各ご家庭でお子さんと一緒に、以下の質問に回答していただきますようお願いします。

                             沖縄県教育委員会」

 

 とあります。

 

 アンケート内容としては、児童生徒名・保護者氏名を記名のもと、「いつ・誰から・どのように」体罰を受けたかについて、またその体罰について話し合いを持てたかについて、といった質問です。

 

 私は普段、目立たない生徒であり、先生から厳しく怒られたこともなければ、体罰を受けたこともないので、すぐにアンケートは終了となりました。しかし、このアンケートをきっかけに家族で「体罰」について話し合ってみたので、思ったことをここにまとめてみたいと思います。

 

 私の住んでいる地区は、田舎です。沖縄県全体の風潮なのか、田舎ゆえの特徴なのか、学校も随分ゆるやかです。先生も生徒も、いい意味でも悪い意味でも好き勝手やっているのでしょう。

 

 先生は生徒のことを呼び捨てですし、時にはアダ名呼びで呼ばれている生徒もいます。反対に生徒から先生に対しては、タメ口が多い気がします。

 

 だからでしょうか?中学に入ってからというもの、体罰を結構目にしてきました。特に1年生の理科の先生がひどく怒りっぽい先生でした。

その先生の授業はとてもユニークで、やたら質問が多いのです。また、質問に答えきれる生徒をわざわざ立たすのです。質問の内容は「どうして花が咲くのか?」と言った理科的なものから、「ここに漂っているものとは何か?」と言った抽象的なものまで。先生の質問の意図が分かってくると納得もでき、楽しい授業ではありましたが、常に教室には緊張が走っていました。

 

なぜなら、その先生、質問の答えが分からなかったものに対してたまに殴るからです。しかも、素手ではありません。出席簿や光の学習で使ったポインターなどで殴ります。

 怖かったですね。実際、いろいろな理由でその先生に殴られた生徒数は、学校の半数はいると思います。

 

 でも、その先生は不思議と人気がありました。それは問題教師という側面を持ちつつも、多分昔ながらの熱い先生だったからです。私自身、家庭のゴタゴタがあった時期に方法は別として、随分と気遣ってもらいました。学年が変わっても、「大丈夫か?落ち込んでいないか?」といつも声をかけてくれた先生でもありました。

 

 また、「今日あの先生に殴られたんだ」とクラス内で話すと、「あぁ、またか」となり、別に問題意識を持っていたわけではありませんでした。

 

 こうやって、文章に起こしていくと、私たちの「体罰意識」が世間の「体罰意識」と少し違っているのかもしれないと思います。

 

 http://shunkan-news.com/archives/3806

上のURLにも、沖縄県の「体罰肯定」が全国で一番高いとありました。

 

 体罰は悪いことです。体罰はいけないことです。私は、手をあげられることが怖いあまりに、思っていないことを口走ることがありますが、やはり不愉快で、屈辱的です。

 

 しかし、叔母はこう言います。

 「学校や監督に任している以上、指導方法に口出しはできない」と。

 多分、こうした意識が沖縄県の体罰肯定の背景にあるのでしょう。

 

 私は叔母の意見に賛成できません。私は子どもです。私が私一人の力では解決出来ないほどの、理不尽なことをされたら、親に助けを求めます。それが、正しいと思っているからです。でも、叔母の意見に沿って考えてみると、私の母は私のために動けないことになります。

 

 叔母の子どもは、私とは正反対の体育会系でサッカー部に所属しています。学校に行って、勉強して、ひたすらだらだら過ごしている私とは違い、彼は先生たちとも深い関わりをもっています。

 

 だから、私には分からない先生と生徒の間の「絆」があるのかもしれません。また、叔母にはその「絆」が見えているから「口出しはしない」と思えるのかもしれません。

 私もそのように学校と距離を取っていれば、意見は変わったでしょか。

 また、私も学園ドラマのように、学校と本気で向きあえば良かったとも思わないわけではありません。

 

 それでも、やはり私は「体罰反対」を主張します。たとえ熱い想いゆえの体罰であっても、絶対的な上下関係のうえでは、体罰が恐ろしいことに変わりありません。生徒に指導をするにしても、他の方法が絶対にあると思うのです。

 

 

 はじめに書いた、アンケートの集計結果はどうなるのでしょうか?

 実際にあった体罰の全ては出てこないと思いますし、私の学校の状況を考えると、アンケートの意味がどこまであるか分かりません。

 

 でも、こうしたアンケートが行われたこと自体が私は嬉しいです。やっぱり、守られているのだと感じました。

 

 編集後記

 私がもし、体罰を受けていたのなら、ここまで悠長に語れなかっただろうな。ここに書いたものはあくまでも、体罰を見ているだけの1生徒のつぶやきとしかならないのか。