目をさますと、夜だった。
私はいつの間にか眠ってしまったようで、体はじっとりと嫌な汗だらけになっていた。
驚くほど暑い毛布のなかで、今日もまた一日をムダにしてしまったなと思う。でも、仕方ないのだ。これから何をしようかと思っていたら、私は眠ってしまったのだ。眠る気などどこにも無かったのに。
何かに対する怒りがふつふつとわいてくるのを感じながら、私はリビングのある1階へと降りた。
すると、リビングでは弟が映画を観ていた。私の座椅子で。口を開けてだらしない顔だった。
そして私に言う「おい、飯」
どこの弟が可愛げもなく、そんなことを言うのか。そもそも、食事当番は私でない。二人で相談して決めるものだ。てか、お前の座る座椅子は私のものだ。そこをどけ。
私も私だ。イライラしながら、冷蔵庫を見る。何もない。冷凍庫も見てみる。一人前の牛丼しかない。
そこで、弟がまた口を開く「おかぁが野菜食べろってさー」
どういうことだ。野菜って、なんだ。
しぶしぶ野菜室を覗くと、並んでいたのはキャベツとパクチョイ。
おいおい、チャーハン作りの野望も絶たれたぞ。
弟をほったらかしにして、一人牛丼でも食べようかと思った。弟と言ったって、あいつも私と同い年だ。双子だもの。
でも、それでも頭の片隅で緑の野郎が居座っている。
そういえば、便秘気味だった。
トイレの中で悶え苦しむことは、もうしたくない。
わかってるんだ。私は、最悪の気分で、大嫌いな食材を調理しなくてはならない。
じゃあ、何を作ればいい?
弟が仕事を怠けているせいで、フライパンは汚れてる。油ギタギタだ。でも、洗いたくない。食事作りをしてやるのだから、せめて簡単な食器洗いくらいやれよ。こっちは、このあと洗濯もしなければならないのだ。悪態を付きたい。アイツの前で思い切り舌打ちしてみたい。しかし、映画鑑賞中だ。私が本を読んでる最中に邪魔されることが大嫌いなように、アイツもそうだろう。
だから、私は黙って何か作ってやる。
キャベツとパクチョイだけで何が出来るか分からんけれど、仕方無い。
重い腰をあげ、クックパッドを開こう。
数分前にはそう思ったはずだ。
でも、どうして私ははてなに居るのだろう?
まぁ、いいさ。
キャベツとパクチョイの組み合わせレシピだなんて、クックパッドにあるわけ無い。
私に出来る調理は、炒めるか、マヨネーズをぶっかけるかどちらかなのだから。
弟よ、今から作ります。
遅くなってごめんなさい。
ここに悪態ついてごめんなさい。
でも、すっきりした。
これ、今日の記事として公開してもいいかな?
気がついたら、テレビの音がお笑い番組に変わっていた。おい、私の気遣い、どこに行った。
編集後記
病気かと思うほどの寝起きの悪さをどうにかしたいと思う、今日このごろです。