雑記帳

沖縄と民俗と言葉と本と

ラオス研修4日目

ラオス研修4日目2013.07.27

派遣国:ラオス

ラオス研修4日目

 この日はビエンチャンを出て、ルアンパバーン、サヤブリ県へ移動です。ルアンパバーン行きの飛行機を降りた瞬間から感じる、田舎臭。ラオスはすごいです。現代っ子の私には今まで見ることの無かった、山、川、山。全てが雄大です。この国の国民性は穏やかだと何度も聞いたのですが、穏やかさはこの中で培われたに違いないと確信しました。ルアンパバーンからサヤブリへの道のりは、舗装されていない道路も多く大変だと聞いていたのですが、私の心はこの自然に奪われっぱなし。車酔いの暇もありません。

 

 

f:id:kinokonoko11:20130725141008j:plain

 


 
ようやく着いたサヤブリ県では、「こども開発センター」を訪ねました。ここがまた、素敵なんです。センターを入った時、子供達が見せてくれた一枚の紙。そこには、日本国旗とラオス国旗が仲良く並んでいました。また、そのそばには「めんそーれ」の文字。とても嬉しかったです。しかも、それだけでは終わりません。現地の子はみんな、笑顔で「サバイディー」と挨拶してくれ、私達はとても楽しい時間を過ごすことができました。民族衣装を着たり、一緒に写真撮影をしたり、言葉の壁なんてどうにかなるものです。不思議とこの時ばかりは、異国であることをあまり意識せずにすみました。なんと、この施設には沖縄出身の方が働いていましたよ。ラオス大学の時といい、私が知らなかっただけでラオスという国は案外身近な国なのかもしれません。

 

 


 
ここで一旦、この日感じたことをまとめます。サヤブリ県はいくつもの民族が住んでいる地域だそうです。だからでしょうか?この地域には「共生」という考え方が根付いている気がします。まず、お互いの民族を相互理解しあう「共生」。それから、自然と人間のバランスを保ちながらの「共生」。多民族国家であるラオスと、一つの民族しかない日本。その意外な相違点はここにあるかもしれません。その延長で考えたことがあります。それは、子供開発センターでの交流のこと。現地の子供達は私達を歓迎してくれ、同年代の子は英語で一生懸命話してくれました。突然来た見ず知らずの外国人に対してですよ、これってなかなか凄いことではないでしょうか。私が日本にいて、外国人が来たとするならばもじもじして何もできなかったでしょう。今回も、現地の子に救われました。どんなよそ者でも、受け入れる器を持っている、これは共生の心であるとともにラオスのよさだと思います。私も見習いたいです。

 

 

f:id:kinokonoko11:20130725160552j:plain


 
この日の振り返りの時間が面白かったので、ここに書きとめておきます。ある人が言いました。「サヤブリの自然は美しいから、ここが開発されてしまうのは悲しい」と。私もそう思います。でも、そんな感情の裏でラオスの子がスマホを手にしていたことに感動した自分もいます。日本に置き換えても、一度は通った選択の一つであると思います。開発にはいろんなメリット・デメリットが付きまといますから、その分だけ是非が分かれるのは当たり前のことです。しかし、中国の発展などラオスの事情などおかまいなしに時代が進んでいることもまた事実。ラオスがこのままで時代の波に乗れなかったら、それはまた悲しいです。だから、この国をどうするかということはやっぱり本人達が決めることで、私達がとやかく言うべきではないと思いました。また、開発の波に流されて文化までも失わないようにと、今回のような子供開発センターがあるのではないでしょうか。

 

 

 ビエンチャンを離れて、衝撃的なものばかり見てきたこの日。この国は、私の狭い視野と価値観を覆させてくれます。