雑記帳

沖縄と民俗と言葉と本と

観光甲子園

 

 

 歴史レポートは一旦置いといて、私は先週末観光甲子園に参加してきました。

 観光甲子園とは?という方はリンクを御覧ください。

「観光プランコンテスト『観光甲子園』」とは? | 観光甲子園 | 神戸夙川学院大学 │ 観光文化学部 観光文化学科

 

 私の通う高校は商業高校ではありません。ですから、観光についての授業などありません。でも、挑戦してみたかったのです。だって、何だか楽しそうじゃありません?自分の地区の観光プランを作ってみるって、ワクワクしません?

 

6月頃に観光プランと効果・継続性・将来性などを記入したプランシートを提出。その中でトップ10校が本戦へと進めます。出場校は商業高校がほとんどですが、私達も無事本戦出場を決めました。あとで聞いたのですが、普通校からの本戦出場は初めてとのこと。因みに私の住む沖縄県からの出場も初です。

 

 本戦は神戸の夙川大で行われます。12分間のプレゼンでグランプリ、準グランプリ、優秀賞を決めます。商業高校の人たちって、イケイケなイメージがありました。プレゼンもきっと凄いんだろうなと怖気ついていました。私は文学少女ですよ、完全なインドア!怖いに決まっています。

 

 この観光甲子園には私と双子の弟、そして後輩ちゃんと参加しました。引率教員は担任(国語)です。本戦が行われる神戸まで後輩ちゃんと引率教員は完全なる道連れです。

 

 

 

 

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 神戸の夜景。百万ドルの夜景と言われるだけあって、とても綺麗でした。

 

 本戦出場までの様々なトラブル、神戸で楽しかったあんなこと、観光甲子園を通じてこじれかけた姉弟の絆……など書きたいことはたくさんあるのですが、ひとまず割愛。

 

 本戦は結果からいうと、準グランプリでした。初出場・普通校での取り組みとしては、上出来だと思います。グランプリを受賞した高校はさすがに作りこまれていて、ただただ「凄い」と思います。しかし、悔しさみたいなものが胸の端っこにあるのもまた正直なところです。

 

 観光甲子園は私にとって、今までとは全く違うジャンルの挑戦でした。私の住む沖縄県は観光立県です。私の住む街にも世界遺産があり、観光客も多く訪れます。しかも私の父は観光業に携わっていました。日常と観光は近い存在です。しかし、なぜだか観光に興味をもったことはありませんでした。今回の観光甲子園も弟に誘われなかったら挑戦しなかったことでしょう。

 

 私は物事を一歩深く考えることがモットーです。沖縄の歴史や文化が大好きで、遺跡巡りを趣味としています。でも、それらは大衆ウケはしません。そのことはよく分かっています。しかし、今回のプランにはこの「歴史と文化」とふんだんに取り入れました。単純に弟に頼まれてやることなのだから、せめて好きな分野でやりたかっただけです。全てが終わった今だから言えることですが、その時点ではとくに思い入れなどありません。

 

 しかし、結果的にはこの判断が良かったのでしょう。まず私が楽しかった。大衆ウケするように遺跡をツアーに盛り込むということは、大好きな歴史・文化を違う視点から見つめなおすことになります。因みにこの時点で私は暴走。弟を置いていき、一人でプランをつくっていました。

 またテーマ性を持たすことができたことも良かったです。沖縄県は観光立県として有名ということもあり、観光プランが「出尽くしている」。正直、テーマ性がなければ戦えないでしょう。今回は文化と歴史を軸としたプランを作成したことにより、沖縄文化の伝承、更には沖縄と取り巻く社会問題と観光を結びつけることができました。機会があれば、プランシートと本戦時の発表原稿とスライドをあっぷしたいところです。

 

 今回の観光甲子園で感じたことは、全く違うジャンルの挑戦でも無駄になることは一つもないということ。自分が本当にやりたいこととズレている気が拭えずに悶々としていると言われました。「軸からブレただけ、人間としての幅が広がります」と。確かにそうかもしれません。

 また、新たな世界を覗けたことも面白かったです。商業高校とは普段関わることが全くないですから、新たな世界でした。私はいつも大学入試を目標に勉強しています。しかし、そうではない高校生もいる。日本を盛り上げる観光について日々勉強する高校生が全国にはたくさん居るのだと知れたことは大きいです。怖がる必要はありませんでした。私には少々刺激が強い部分もありましたが。

 

 それから、普通校だからと気後れする必要もありませんでした。普通校だからこそ、見える観光もある。文化と歴史をこよなく愛する私だからこそ、あのプランを作成できたのでしょう。

 

 どんなことでも挑戦すべきです。無関係だった担任を巻き込めたのは良かったです。観光とは程遠い高校だというのに、いつの間にか学校が私達を応援してくれました。高校生にはやれることがたくさんある。本当にこの一件で感じました。私のために一生懸命協力してくれた担任には感謝です。

 

 夏の日に観光というフィルターを通してみた沖縄は、とても魅力的でした。もうひとつの甲子園「観光甲子園」私の忘れられない思い出です。