きのこのこのこのこ

最近大学生になりました。南の島から東路の果てへお引越し

文芸部誌あれこれ~高校文芸部編集へのアドバイス的な何か~その2

 

 その1はこちら。

kinokonoko.hatenadiary.jp

 

 ネットを彷徨っている弱小文芸部員に捧げる文章(直接の後輩への引き継ぎ文章だったりする)いきなりだけど、続き。

 

企画をたてる

 先のページにも書いたように、私は企画を大切にしていた。普段の部活動は完全な個人活動になるので、定期的に交流をもちたいと思っていたのだ。私が関わった企画を下に記す。

 

ビブリオバトル

ビブリオバトルは書評合戦と言われるものだ。決められた制限時間で自分のおすすめ本をプレゼンをし、質疑応答を経て、「どの本が一番読みたくなったのか」という視点で投票、勝者を決める。お菓子も用意し、本好き同士が思う存分語るおもしろい企画だ。本来ならここで終わりだが、部誌に企画として掲載するため書き起こしの作業があった。プレゼンと質疑応答の様子をビデオに撮影、編集がすべての語句を聞き取って書き起こすのだ。この作業は地獄だ。特に部員の数が多ければ多いほど、負担も大きくなる。また、多忙な部員全員が集まることも簡単ではなかった。そのような事情から、忙しい時期はどうしても行えなかった企画でもある。しかしその反面、部員のプレゼン能力が格段に上がったほか、学年を越えたよい交流もできた。この効果は大きく、部誌コンクールでも高い評価を受けたほか、他校の先生から「うちの高校でも取り入れたいから、やり方を教えてほしい」との要望もあったくらいだったということも書き留めておきたい。

 

リレー小説

 言わずと知れた企画モノの定番である。古典パロディ・ホラー・和歌をベースにした恋愛モノというようにいくつものテーマで行った。良い点としては、ページが簡単に稼げるほか、部員の知らなかった一面も見える点である。しかし、悪い点もある。スケージュール管理がこの企画の肝を握ることだ。必ず、締め切りを守らないやつが出てくるのだ。だから、部長もしくは編集が綿密に余裕のあるスケジュールを立て、マメにメールの確認、作品の催促をしなければ、なかなか仕上がらない。また、多くの場合は物語が暴走したり、どん詰まりになったりする。一人で書いているのと違い、プロットも満足にはたてられないだろう。そういった事情からも、毎回小説が上手い人の力に頼っていた。

 

百人一首図鑑を作ろう

 「百人一首図鑑を作ろう」は名の通り、百人一首の中から自分の好きな首を選び、その鑑賞を行うものである。最初の思惑ではこの企画を定期的に行い、100首全て揃える予定であった。同じ歌でも、鑑賞は人それぞれに違うものだ。わずか31音に込められた世界の多様さを感じられる企画でもあった。しかし、この企画は部員の鑑賞力に左右される要素が大きい。部誌コンクールでも言われたが、ある程度のレベルに達しないものは書き直しをお願いする必要がある。企画の認知がうまく行かなかったこともあり、インターネットのコピペまがいの文章も多かった。しかし、私はそれに対して書き直しをお願いすることはできなかった。先輩に対してそんなこと、言えるはずない!と当時は思ったが、それが企画のレベルの低さ、ひいては部誌のレベルの低さにつながった。同じテーマで文章を書く以上、一人ひとりの能力の差がはっきりとしてしまう。そういった意味でも難しさもある企画だ。

 

バレンタインを詠む 

先輩発案の企画である。バレンタインを味覚だけでなく、様々な面から楽しもうという趣旨だった気がする。短歌あり、俳句ありととっつきやすかったこともあり、編集の負担も軽かった。また、正月や夏休みなどアレンジもしやすいだろう。だからこそ私としては、ただ詠むだけにとどまらず句会まで行えたら良かったと思う。楽に行える分、下手に編集すると物足りなさも残る企画である。

 

古典パロディ

 これもまた先輩発案の企画。その名の通り、よく知られた古典作品のパロディを書いた。なお、古典作品の例をあげると『吾輩は猫である』・『夢十夜』といったものが多かった。

 

読書会

一度授業で習った作品を自分たちなりの解釈で読み解いていこう!との趣旨で『羅生門』の読書会を行った。まずに参加者で朗読をしあい、作品のポイントを挙げる。そのうえで

好き勝手に語っていった。授業とは違うので、正しさは追求しないことを念頭に置く。あくまでも重点は、それぞれがどう読んだのか。『羅生門』という有名な作品の力を借りて、それぞれの考えを引き出すことができたと思う。「生きることはどういうことなのか」そういったテーマを部員同士で真っ向から話すことは今までに無かったので、この企画はそれぞれの考えを知る良いきっかけにもなった。授業とは違い時間にも余裕があるので、国語便覧や『作者アルバム』を活用し、様々な視点で作品を見つめることもできただろう。なお、これもボイスレコーダーを用意し、書き起こす必要があるほか、話をすすめる司会役の人が必要だ。

 

 

以上が文芸部で行った企画である。何かを忘れている気もするが、記憶にも残らなかったものはそれだけつまらなかったのだろう。そういうことにして割愛する。企画はアイデア次第でどうにでもなるものだが、企画を立てるうえでのヒントを少々。

まず、文芸部誌に掲載したいのか、そしてどのように掲載するのかをはっきりさせる。うちの学校の印刷機はカラーコピー禁止・写真印刷不可(2015年段階)ということもあり、言葉だけでは雰囲気が伝わらないものは避けたほうが良い。また、スケジュール管理には気をつけて欲しい。ギリギリの日程で行ってしまうと、忙しい傾向にある高校生が集まることは難しい。顧問の先生など周りを巻き込むことになるものはなおさらである。

 

スケジュール管理

 部誌を作るうえでの肝はスケジュール管理にある。うかうかしていると締め切りはすぐにやってくる。課題に追われ、テストに追われ、自分が本当にやりたいことのはずの部誌編集は徹夜での作業ともなりかねない。そうなると、内容はどうしても雑なものとなりがちだ。私は何度もこれで失敗した。

 

 部誌編集をするうえで、締め切りは3つある。まず、一番大事なコンクール締め切り・学園祭締め切りである。全コンクール締め切りは主催者が決めたものであり、間に合わなかったらもちろん失格となる。学園祭もまた然り。たとえ部誌が仕上がってなくとも、学園祭は容赦なくはじまるのだ。そういう意味でも一番重要な締め切りとなる。必ず守らなくてはならない。そのため、全てのスケジュール管理はこのコンクール締め切りから逆算して行う。

 

 次に編集締め切りである。わが校は製本を手作業でやっているため、時間がかかる。そのため、コンクール締め切りの1週間ほど前には編集を仕上げる必要がある。部誌は製本までして初めて完成する。そのことを忘れないで欲しい。また、製本は以下の工程で行う。①wordで作成した原本を出力する

②原本を印刷室にて増刷する(部数は目的によっても異なるが、100部~25部前後で行っていた)

③増刷したものをページ順に並べる

④ホチキス・製本テープ

 

 印刷機の調子や部員の器量にもよるが、特に②③の手順で時間がかかることが多い。学校の印刷室を使わせてもらうため、テスト前などにかぶると最悪である。必ず、初めに顧問の先生との相談が必要だ。そのうえで、編集締め切りを決めたら良いと思う。私の場合、模試や午前授業の日をよく利用していた。これはおすすめである。平日ではどうも時間が短すぎて、集中したと思ったらすぐに下校という事態になりかねない。また土日出校したこともあったが、顧問の先生への負担が大きいほか、我が高校の立地が悪いため部員も集まりにくい。それに対して、この方法では部員が4名いるとして、半日~1日くらいで作業は済んでいたように思う。

 

 そして、最後に作品締め切りである。これは大概コンクール締め切りの2週間前に設定していた。しかし、部員というのは締め切りを守らないやつが一人くらいいるものだ。そのためにも余裕をもって設定していた方が良い。だから、編集としては2週間前に設定しつつも、部員には気持ち早い締め切りを伝えるようにしていた。正直面倒だが、作品提出までの期間は部員の進捗状況など聞き出しておいた方が、事前に部誌のイメージも作れるので編集の作業もスムーズに行く。因みに、部員の締め切り破りとしてよくあるのがあとがきとペンネーム(1年)の二つである。こちらはついうっかり忘れがちなので、そちらも注意しておく。