雑記帳

沖縄と民俗と言葉と本と

5月31日 5月のおわり、読書の日

 

 今日で5月も終わりらしい。びっくりである。でもまあ、留学の終わりを意識して日々を過ごしているせいか、ああまだ留学が終わるまで2ヶ月あるな、という謎の余裕もある。微妙な気持ちだ。

 

 朝起きるとまず、スマホの通知を確認する。すると、大学の先生からメールが届いていた。先週なんとか形にした卒業論文の題目について、「今のところはこれで大丈夫でしょう」とのこと。あとは書類を書いて、PDF化したのちメールで送るのと、国際郵便で大学の方にも送れば終わりだ。とりあえずひと安心。卒論の題目も目処がついたことだし、6月は中国語に集中するぞ、と心に決める。

 

 朝の授業を終え、DVDを返すために図書館へ。そのあと、基隆の社寮島にある琉球人墓に行く予定だった、当初の予定では。

 図書館で探し物があるからって、棚をふらふらしていたら、面白そうな本が大量に。気がついたら、5冊手にしていた。いやいや、今月は中国語に集中するんだぞと思いながら、台湾中国、日本、沖縄に関連するところだけ読んでみる。すると、これが面白い。気がついたら、お昼もいい時間だった。ギャグかよ。

 

考古学者石野博信のアジア民族建築見てある記

考古学者石野博信のアジア民族建築見てある記

 

 

 

民族の出会うかたち (朝日選書)

民族の出会うかたち (朝日選書)

 

 

 

現代民俗学の冒険 (桜井徳太郎民俗探訪)

現代民俗学の冒険 (桜井徳太郎民俗探訪)

 

 

 

 予定を大幅に変更することにした。タピオカミルクティーを久しぶりに買って、クーラーをつけた部屋の中で本を読むことにしたのだ。なんせ、今日は金曜日!金曜の夜は相部屋が居ないのだった。クーラーもつけ放題だー!途中、本を読みながら食べるお菓子を買うべくセブンによったら、タピオカミルクティーを忘れる。まだひと口しか飲んでないのに!手に持ったものを失くす天才である。

 

 今日は月に一度の眠くて仕方ない日ということもあり、ベットで本を読みながら、時々お昼寝もした。ほんとうに、ゆったりと、台湾で過ごす日々って素晴らしいものである。

 私は日本に居るとき、資格の関係で単位ばかり取っていた。どうせ時間があっても、だらだらするだけだし、と言ってたけど、こうして自由な時間が生まれたところで、私が本当にしたいのは本を読むことだった。もう少し、自分を信じても良かったなと思う。私は人文系の学生で、本を読むことは人文系にとって必須である。単位を集めて満足していたその先を私は見なくてはならない。

 

 

イレズミの世界

イレズミの世界

 

 

 台湾原住民のタトゥーと、沖縄のハジキ(入墨)についての記述があるとのことで、ずっと気になっていた本。やはり台湾大にあった。面白くて一気に読んでしまった。

 

 知るということは、そのことに対して、その地域に対して、その人たちに対して、経緯を払うことである。台湾原住民博物館でインターンするにあたって、できるだけ関連の本を読みたい。

 

 気がつけば、この一ヶ月で20冊近くの本を読んでいる。漫画やDVD、中国語の本を加えればさらに増える。台湾と日本では自由になる時間が比べ物にならないけど、日本にいた時以上に台湾で日本語の本を読んでいる。中国語の本を読まないと。もっと中国語に触れないと、という焦りはすごくある。でも、でも、いまは日本語の本を読みたい時期なのだとしたら、今読みたい本は、いまが読み時なのではないか。

 

 昨日の道教寺院、道士のふるまいに込められた意味はなんだろうかと思うとき、役に立つのは中国語以上に、日本の大学で受けた授業だったり、台湾に来て慌てて読んだ本だったりするからかもしれない。(多くの日本人がそうであるように、台湾人の多くは年中行事に込められた意味を知らないし、現代の若者は年中行事に関わらずに生活するものも多い)両者のバランスを取るのはすごく難しい。ただ、どうであろうとも、志向錯誤しながら学んだ日々はきっとどこかで自分の財産になる。今はそう信じるしかない。

 

 

 本を読み終わった夜中、もう留学も終わりに近づいているし、ととっておきのどん兵衛開封した。日本の、出汁の香り。深夜にそれを食べるという背徳感をスパイスに、とても幸せなひとときであった。