きのこのこの雑記帳

どきどき台湾留学2018.9.1~ 沖縄と民俗と言葉と本と

6月4日

 

6月4日 保生大帝飛昇記念祭典・原住民博物館でガイドを聞く

 この日は朝から道教廟へ。お目当ては、台北の保安宮で行われる保生大帝飛昇記念祭典及び宴王祭り。今まで道教廟に通っていた理由のほとんどが神様の生誕日だったんだけれども、この日は「飛昇記念」ということで、どのような違いがあるのか気になっていたのだ。

 台湾の道教廟におはします神様の多くは、人間だった伝説をもっている。道教廟の祭祀事に多い「生誕千秋」はその名の通り神様の誕生日で、その日はお寺がものすごく盛り上がる。一方「飛昇」とはこの神様の前段階の人間が亡くなり、神になった日を指す。

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 「生誕」の方はかなり派手に祝われるから、よく目にしていたけれども、考えてみれば多くの神様の生誕日を追うばかりで、ほかの記念日に道教廟に向かったことはなかった。ただ、勢いあまって廟に向かったはいいものも、実際のところその違いはよく分からなかったというのも事実だ。「生誕千秋」の時とは比べ物にならないほど、閑散としていて、お寺の人、道士が静かにお経をあげていた。

 どうして「生誕千秋」の方が「飛昇記念」より盛大に祝われるのだろう。道教の世界観というのは、本当に分からないことだらけだ。台湾の場合、宗教としての「道教」と、民間信仰の中の「道教」にも大きな差がある。注意して見なければ。結局のところ今の私がやることは、ひたすら見ることなのだと思う。台湾に居るからこそ、その信仰世界に触れることができる。この機会を存分に生かそう。自分の勉強不足で深くまで理解できないことはあるけれど、その都度調べたり、日本への宿題にしたりしながら、とにかく見るのだ。

 

 

 お昼はマックで休憩。台湾マックでは地球温暖化への配慮から、ストローを廃止する動きがある。私もノーストロードリンクを初体験。これと言った不便を感じないから、これで良いと思うんだ。日本でも広がるかな。

 先日PDFで送っていた卒論題目について、国際郵便にて原本を送る。ようやく提出できた。大学の先生から受け取りメールも頂き、本格的にクリア!やっとのことだ。この一か月、ずっと卒論題目のことが頭にあった気がする。これも全て日本の先生のおかげ。メールでの指導からはじまり、指導教官のサインがいくつも必要なところを代理で受け取ってくださっている。卒論題目提出は、1年の交換留学から4年卒業の為には必要な一歩だ。

 大学3年秋学期からの留学の場合、1年卒業を遅らせることが一般的なんだけれども、私の場合経済的に大学5年目を行うことが厳しかった。このことで、留学を半年に縮めようとか、留学を諦めようとか考えたこともあったけれど、「ぜひ一年行ってください」と言って下さったのが先生で、その為に様々な協力をしてくださっている。留学後から本格的に卒論を書かなければならないこと、進路のことを考えると不安もよぎるけれど、台湾での生活が色んな人の厚意で成り立っていることをひしと感じる。だからこそ、やっぱり日々を大切に過ごしたい。

 

 

 

 午後は台湾原住民博物館で、台湾大学人類系博士課程の方のガイドを聞いた。今やっている日本語ボランティアガイドに新しい人が入ってきたそうで、その研修の一環としてのガイドだったらしい。私は半年前にガイドの試験をクリアしていて、そのガイドそのものも留学当初に一度聞いたんだけれども、学芸員さんに「勉強になると思うので」とお誘いいただき、参加した。

 博物館ガイドでは、たいてい各フロアを15分ずつ紹介している。最初のころは、この15分間話す内容を埋めるだけで一生懸命だった。でも、それでは足りないことはずっと分かっていて、15分話すためには膨大な知識が必要だ。また、多くの日本人の来館者にとって、台湾原住民はあまり触れる機会のない存在だ。それをどうつなげて話すのか、導入をどうするのか。工夫するところは無限にある。ガイドの試験そのものは合格しているけれど、ずっと勉強なのだと思う。そういう意味で、かなり勉強になるところがあった。

 ただ、留学当初よりはずっとずっと「問題にされていること」がしっかり理解できたのは嬉しいポイントだった。特に卒論題目について頭を悩ましていたこと、その為に民俗学事典とにらめっこしていたことが効いていた気もする。

 

 道教も台湾原住民も台湾に来てから本格的に触れて、惹かれているものだ。そうしたものが日本でやっていたことと繋がる瞬間が一番楽しい。そういう意味では、留学が終わって日本の大学に戻った時に気づくものもたくさんあるのだろうなあと思う。

 

 帰りはこの博士課程の方とご一緒する。色々と話を聞いた。進路について迷っていることについても、アドバイスをいただく。台湾で色んな人と出会って、様々な話を聞けていることは大変ありがたいことだ。