雑記帳

沖縄と民俗と言葉と本と

台湾南部旅行 1日目 屏東ランタンフェスティバル

 

 台湾南部旅行、楽しかったよ

それはそれは良い旅だった。気心知れた人たちと、のんびり、寄り道しながら、色んな街に足を踏み入れた旅だった。

 

実は一度しっかりとブログに書いたんだけど、その記事が無残にも消えてしまった。イチから書くにはやる気がないし、でも、旅の記憶を書き留めておかないのはどこかもったいない気がする。ということで、ざっと簡単にまとめてみる。

 

 

初日は高雄駅で友達と待ち合わせ。

宿にははじめてAribnbを使った。どんなもんかと思っていたけど、宿のオーナーはお茶目なおばさんで、マンションの管理人は強面ながら優しいおじさんだった。その街の住人が楽しそうに生活していること、住人そのものがとっても魅力的であることは、旅を面白くする。

 

初日のメインは屏東でのランタンフェスティバル


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屏東駅の周辺が驚くほど素敵だった。

落ち着いていて、それでいて活気がある。好きな街は駅から出た瞬間に分かる。ここは心地の良い街だ。


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屏東の小学校も可愛くてびっくりしちゃう。

 

ところでランタンフェスティバルのメイン会場は屏東駅よりも離れた港町にある。


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会場に着いてすぐさまホイホイされた夜市。イチゴ飴も、キノコの唐揚げも、冬瓜茶も美味しかった。腹を満たしたところでいざ出陣。


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ユニコーンに乗るお釈迦様ランタン



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光るイエス聖母マリア

 


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光る仏像再び

 


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もちろん、道教寺院も負けていない。

 

夜市エリアを抜けてすぐ訪れる宗教エリア。そこは色んな宗教がこれでもかというくらいに、パフォーマンスを繰り返していて、とてもとても魅力的な場所でした。

 

いろんな神さまが光っていて、なあんか笑っちゃう。

宗教学の授業で「聖なるものは自ら光を発す」と聞いたけど(文脈は忘れた)まさにこれじゃんと思った。

もうほんと、度肝を抜かれてゲラゲラ笑っちゃった。しかもね、その横でその宗教の信者さんたちが熱心に勧誘していた。来館者も真剣にお守りをもらったりして。(わたしもしっかり貰った)色んな教えがあって、色んな神さまがいて、これぞ世界の多様性だよなと思った。

そうそう、宗教って楽しいものだったなと実感した。

 

わたし自身が特定の信仰を持っていないからかもしれないけれども、他の人の信仰を覗かせていただくのが大好きだ。信仰というフィルターで、自分の見ていない世界を捉えているような気がするから。

 

日本人の宗教動向として、宗教という言葉にアレルギ反応を示す、というのも宗教社会学で学んだことの一つ。(そして実感としてもある)

もちろん、そうした反応にはオウム真理教事件や諸々が関わっている。また、台湾の宗教動向について詳しいわけでもない。

 

だから、本当にぼんやり思ったことにすぎないけれども、宗教という面においてもアレルギー反応を示さず、色んな宗教が併存して展示して、それを楽しめる場がある、それってとても素敵なことだなぁと思いました。だってめっちゃ楽しくない!?!?!?こりゃあ日本じゃなかなか無いぞ!と思いつつ、はしゃいでいる自分がいた。宗教に対する入り口として素晴らしいよね。

 


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ちなみに、最初でオチを言ってしまうと、私たちはこの宗教エリアではしゃぎすぎたせいで、ランタンフェスティバルのメイン展示にたどり着くことはできなかった。

宗教エリアがあまりに最高過ぎたのだ。

 

芸術エリアを抜けて(写真は美濃和紙で出来たランタン)


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次に訪れたのは台湾原住民族(台湾の先住民族、中国語で原住民族と書くためそれに従う)のコーナー。

屏東には台湾東部程でないにしろ、台湾原住民族が多く住んでいる。そのため、ここも絶対に外せないと思った。

 


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16いる台湾原住民族をテーマにしたという樹。

数分に一度プロジェクションマッピングが行われる。台湾原住民族に対するクイズに答えて景品がもらえるイベントもやっていた。

 


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こちらはパイワン族のトンボ玉をモチーフにした作品。

トンボ玉一つひとつに神話や意味が込められている。

台湾原住民族のコーナーは、彼らの文化をエッセンスとして取り入れつつ、完成させたランタンが多かったイメージ。ランタン一つひとつには制作者のコメントや、原住民族の文化が解説されていた。

そしてそのランタンのアーティスト自身、台湾原住民族にルーツを持つ人が多かった。(もしかしたら全てそうかもしれない)

 

同じようなアプローチだったのは、客家のランタン。客家も台湾総人口の15%ほどを占めるエスニックグループである。

 


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客家花柄を使ったランタンの他にも、藍染めをモチーフにしたランタン、遊び心あるランタンも。そして全てに客家文化に対する注釈がついていた。

 

その教育効果は分からないけれども、やはり素敵だなぁと感嘆する。とっても素敵。

身近に自分とは異なるルーツを持つ人がいるということは当たり前であり、それぞれの文化を尊重するのも当たり前である。そんな姿勢がとっても素敵なのだ。

 

つい思ってしまう、沖縄も、と。

沖縄の文化だったらどういうことができるのだろうか。

ランタンはとても綺麗だからこそ、その中に込められた祈りや思いを純粋なかたちで届けることができるのかもしれない。

 

自文化の素晴らしさを遺憾なく発揮しているそれぞれのランタンを見てそう思った。

 

 


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写真は帰り道に目にした美麗島駅のステンドグラス。

 

台湾、やっぱり知れば知るほど面白いと思う。程よい疲れのまま、この日は就寝した。