雑記帳

沖縄と民俗と言葉と本と

10月のこと

 

 嵐のような忙しさが去ったあとの10月。のんびりするはずだったけど、なぜか原稿を抱えて、いろんな調査にも行き、やっぱり忙しかった。

 とはいえ、それは自分のキャパシティの範囲内のことで。なんか、やっと正気の自分に戻れた気がする。かなり仕事が追い詰められていたとき、3食職場で食べることもあった。もちろん3食コンビニ飯。それが過重労働を乗り切るコツだと思っていたけれど、やっぱり自分の口にするものを自分で作って、自分の家で食べるのが1番だなと思う。わたしには必要な時間だ。

 

行ったところ・食べたもの

大仕事を終えた週末、石垣島に飛び、そのまま西表島と黒島へ!

 西表島ではサップとトレッキングを楽しみ、黒島では原付を借りて島をのんびり一周した。

 島民より牛の数が多いことで有名な黒島。牧場が島の中央にあり、牛がのんびりしている姿を横目に走るのは最高だった。

 沖縄の島々は、地質的な特色から高い島と低い島に分けられるのだけれども、黒島は典型的な低い島。展望台から島を一望すると、一面に平地が広がっている。水不足に苦しめられた歴史から、貯水タンクや水道の碑があったりして、勉強になった。やっぱり足を運んでみないと何にも分からないよなあって思う。

 出張ではなく、ただ島をまわってのんびりするだけの時間にも発見はあると思うから、こういう時間を大事にしていきたい。

 

 港で飲んだビールと猫。かなり美味しかった。思い出に残る味。

 

ちなみに、次の週末にも急遽石垣島西表島に行きました。こっちは出張。

 石垣島で呑んだうどん(多楽製麺)。石垣って意外と移住者が多い場所でもあるので、色んな料理が美味しい。個人的には沖縄中のうどんを制覇しようと思っていて、グーグルマップ調べでは7割くらい行っている気がする。

 

 西表島からの帰りに行った喫茶店、海坊主。石垣から西表島も、西表島から石垣も第一便で行ったのだけれども、どっちもほぼ満席で、かなり賑わっていた。港から近い喫茶店も満席だったけれど、なんとかタイミングよく入れた。ふかふかのピザトーストにこだわりのコーヒー、外はうだるような暑さだったけれどその対比も含めてすべてが旅情たっぷりで思い出の味。

 

 友人にエスコートしてもらって入った米軍基地でのタコベル。アメリカで一般的だからこそあえてのタコベル!フェンスの向こうのアメリカ。沖縄県民は、みんな一度はフェンスの向こうの広大な芝生に憧れたことがあるんじゃないかって思う。米軍基地は小学生の頃の交流授業ぶりで、当時とは少し見え方も違っている。憧れる部分はあるけれど、やっぱり複雑で。

 とはいえ、率直に刺激的ですごく楽しかった!「これも沖縄」って思うし、全部ぜんぶ引っくるめた沖縄をしっかり見てやるぞって思いをさらに重ねた。

 

 那覇桜坂劇場で「倭文」の映画を観た。

 古代布を追い求める民俗ドキュメンタリー映画なんだけれど、一方で日本の神話とリンクして、一方でそのルーツとしてオセアニアまで広がっていく構成にゾクゾクきた。

 「衣食住」のいちばん最初に来る「衣」について、わたしはもっと考えないといけないなと思う。古代布や自然布について考えて、たくさん鑑賞した濃密な機会が立て続けにあった。わたしの身に付けるものはほとんどファストファッションで、1年半前まで自分が繊維へ文化的な関心を抱くことがなかったのに、すっかり見え方が変わっている。

 

 昼食は「香港0410」でチャンポンとタンスユク。香港って名前のつくお店だけれど、韓国発祥で、韓国の中華料理を提供している。

 美味しい以上に面白いお店。世界に広がる中国料理を意識的に食べている節がある。沖縄で食べられるレパートリーでいうと、日本の天津飯、ネパールのモモ、アメリカのオレンジチキン、それから韓国のジャージャー麺とチャンポン、タンスユク。

 

 そのほか。綺麗な写真は撮ってないけれど、友達との誕生日パーティーで炉端居酒屋行ったり、祖父母を展覧会案内したついでに海鮮丼も食べた。その合間に自分の研究を進めたり、原稿書いたり、大学院のゼミに出たりしていたから、のんびりからは程遠かったけれど、いつもの自分をだいぶ取り戻せた気がする。

 

読んだ本・漫画

  

 kindleで買い続けている漫画の第4巻が出た。わたしが女子高生だったら星先生のファンだったと思う。1話完結型で妙な面白さがあるので飛行機でよく読む。でも初読の時ははゲラゲラ笑っちゃうので家で読む。

 
 文化系の部活や芸事に打ち込むタイプのスポ根漫画が好き。読後感が良いのよね。自分の研究に仕事に頑張ろうと思える。ずっと文化系部活スポコンみたいなことしてるなと思う。『かげきしょうじょ』も『絢爛たるグランドセーヌ』も文化系部活といっては失礼な世界の話だけども。かげきしょうじょを読んで宝塚観劇デビューし、とても良かったので、今度はバレエを観に行きたい。
 
 
これ結構おすすめ。布について考えた春夏だったけれど、少しだけ落ち着いたので、布からファッションや身体論的なところの本が読みたくなって手に取った。
 
 
 なぜ働いていると本が読めなくなるんですか?映画『花束みたいな恋をした』の麦くんは労働してパズドラばかりするようになったが、わたしは無料漫画ばかり読んでいる。労働時間長すぎる問題があるとは思う。日記を書いたり、小説読んだりしたい。あれだけ文学少女だったのに、今じゃすっかり小説から遠ざかっている。かろうじて読書量はあるにはあるけど、職業的には全然足りないと思う。
 漫画か、ほどよく読みやすくて自分の関心の周辺にあるものを選びがち……。