雑記帳

沖縄と民俗と言葉と本と

手帳と2024年の抱負

 年が明けて10日が過ぎようとしたタイミングで今年の手帳が届いた。

 

 今年の手帳は数年ぶりにほぼ日手帳にした。

 ほぼ日手帳、はじめて使ったのは高校1年生だった。はじめて持つ手帳としてかなり慎重に吟味して、選んだ。すごくわくわくしたのを覚えている。それからしばらくずっとほぼ日手帳を使ってて、台湾に留学したときに誠品書店が出している手帳にした。その手帳は1か月に1作品、短編小説がついてて、中国語学習の励みになった。

 

 大学院生になってからは迷走した。これまで使っていた「ほぼ日」ブランドを疑うようになった。糸井重里ブランドにほんのりとした欺瞞を感じてしまったというか。(これはすっごく余談だけど、大学4年生の頃にほぼ日の会社説明会に参加したことがあって、なんかすっかり冷めてしまったのだった。今でも強烈に覚えているのは、会社がおしゃれな街に存在していて、周りのローソンが全てナチュラルローソンだったことだ。沖縄にナチュラルローソンって存在している?なんだか、あまりに自分と遠く離れていて、綺麗すぎて、この街で自分はやっていけないと思った。受けなかった。)

 

 あと、「周りが働いているんだから」という焦りみたいなものが非常にあり、一日8時間以上研究しないとと思っていたので、時間が管理できる週間バーチカルタイプの手帳を使ったりもした。昨年は試験と留学とが並行して進んでいたので、どう転んでも使えるようにシステム手帳を買った。色んなところで一気にスケジュールが見られるようにとグーグルカレンダーも併用している。私は手帳というものが好きなんだろうと思う。

 そしてそれ以上に(元気な時の)わたしは生活の試行錯誤が好き。あと、これはぼんやりしていると忘れてしまうのだけども、私は自分が思っているよりも、ひとりで文章を書く時間が必要だ。そしてそのために手帳って結構ありがたい存在だと思った。1日1ページは欲しいよなって思ったから、結局まわりまわってほぼ日手帳にした。最終的にはあのサイズ感とトモエリバーの書きやすさで選んだ。製品の良さに負けた。

 

 ほぼ日手帳を手にして、原点回帰だなと思う。帰ってきた。

 

 沖縄に帰ってもう3年になる。コロナで社会が混乱しているなか、わたしも混乱しながら帰ってきた。正直、沖縄に帰ることを自分の意思で選んだという感覚はない。

 

 でも、今度は自分の意思で選んで就職した。1年間、色んな経験をさせてもらった。たくさん「おめでとう」を言ってもらって、こそばゆい日々で、本当に貴重なものを見て聞いて体験している。ありがたい。ありがたい。

 でもたぶんほんのりキャパオーバーも起こしている。大学院はまだ続けたままで、なんとか指導教官のもとで博士論文を出したい。毎日貴重なものを見ているのに、これをしっかり自分のものにできていないことが苦しい日々である。集中したいことは決まっている。やりたいことはやれる環境である。ただ、言うのであれば一日が足りない。体力がない。一つ一つの仕事がまだ全然遅いからそうなってしまうのだと思う。

 

 手帳も新しくしたし、背筋を伸ばして考える。今年は集中する年にしたい。仕事で疲れてても、帰宅後文章書いたり、本読んだりする時間が欲しい。こういう時間がないとすぐに消化不良感を抱くのだと思う。

 

 やりたいことリストを作ってたけど、今年はやらないことリストを作ろう。これまでは色んな外で話す機会をもらっていい経験になったけれど、しばらくこれも厳選して受けようと思う。大学院に入った年に「誘いは断らない」と決めたけど、この調子ではちょっと無理だ。自分には本業があるし、色々引き受けてしまってそれをこなせないほうがよっぽど迷惑がかかる。

 

 それから、インターネットの刺激に乗っ取られてるんじゃないかって思うことが何度もあって、これもやめたい。具体的にはショート動画を観るのをやめたい。ショート動画って観たくてみてるんじゃなくて、ダラダラしたいときに見ているので、そういう時は疲れているんだし、さっさと寝る。Twitterはやめられそうにないけれど、色々衰退していくのならわたしも一緒に手放す。Instagramもしばらくずっと見ていたけど、アプリを消して今は全然見ていない。ネット発祥の言葉とか、そういうのも使わないようにする。こう、友達から美味しそうな写真が送られてきたら「飯テロだ!」みたいなことを言ってしまってたけど、最近これもなんか違うなと思うようになった。納得のいく言葉だけを発していたい。

 

 2024年のはじめに書くブログとしてだいぶスロースタートだけど、今年も良い年になりますように(このへんにもキャパオーバー感がにじみ出てる)少しずつでいいから、自分の好きなことに集中できますように。ありがたい日々をしっかり咀嚼して自分のものにできますように。