雑記帳

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文具☆愛~第一回 手帳~

  文具☆愛~第一回手帳~

 私が肌身離さず持っているものといえば手帳である。そして、手帳には何でも書く。テストの点数から、友達が発したダジャレまで、何でも私の手帳には記されている。まるで私の脳みそのようだ。しかもそれだけではない。私の手帳最大の特徴、それは何でも手帳に貼っていることだ。航空券も、プリクラも、ついには年賀状まで貼り付けた私の手帳は大変重い。昨年度使っていた手帳な

ど、製本が崩れてしまったくらいである。しかし、私は何ら後悔していない。それ以上に自分の手帳が大好きだ。

 

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 私が手帳を持ちだしたのは、高校合格を機に買った「ほぼ日手帳」がきっかけだ。このほぼ日手帳、コピーライターとして一世を風靡した糸井重里が作っただけあって、心をくすぐる仕組みがたくさんある。例えば、毎日のページに付いている「今日の言葉」。これがまた面白い。心にジーンと来ることもあれば、笑わせてもくれる。時間があるとついついこの今日の言葉を見返してしまうくらいだ。また、ほぼ日手帳の魅力はこだわりつくされた素材にもある。手帳の紙はあのトモエリバーだ。トモエリバーといえば、『広辞苑』にも使われているあのペラペラの紙である。トモエリバーのペラペラ具合はピカイチだが、ペラペラすぎて書き心地はいかがなものかと心配することなかれ。トモエリバーはその書きやすさ、強度もピカイチなのだ。私がほぼ日手帳を気に入っている点はそこにある。あんなにも気持よく書かせてくれる紙は出会ったことがない。

 

 

 そんなほぼ日手帳は、私の高校生活の全てを受け止めてくれている。誰にも言えないことも、手帳に書き込めば大丈夫。空白の日も文字だらけの日も色々あるけれど、手帳が重くなればなるほど私の心は軽くなり、同時に私が高校で重ねていったものは増えていく。彼は私の大切な相棒だ。

文学碑巡り第4弾~東京・子規庵編~

 

 

 9月19日。この日は明治時代を代表する文学者の一人である正岡子規の命日、通称糸瓜忌だ。私は正岡子規のことが好きだった。高校の教科書にある「いちはつの 花咲きいでて 我が目には 今年ばかりの春 行かんとす」この短歌に私の心は奪われたのだ。晩年詠まれたとするこの歌には特殊な静けさがあるように私は思う。「今年ばかりの春」この表現は自分の死期と悟り、受け入れたゆえのものだろう。17歳、死ぬことなんて出来ることなら考えたくもない私は、この心境が理解できない。だからこそ、私は彼の歌に惹かれたのかもしれない。私はもっと彼の人生を知りたい、ことある度にそう思っていた。

 

 

 そして平成26年9月一19日、私は東京にいた。もちろん、その目的は糸瓜忌にあわせて現存する正岡子規の住まい、子規庵に訪れることだった。

 

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文学碑巡り第3弾~名護編~

 

 一学期中間テストを終え、私は思った。「とかくこの世は住みづらい」意訳するとテストの結果が散々であり、少し旅に出たいということになる。そういうわけで、今回の文学碑巡り第三弾は、名護まで遠出してきた。しかも一人でである。

 

 

 文学碑巡りとは、各地に点在する文学碑(主に琉歌が刻まれている歌碑の場合が多い)を自らの足で探そうというものだ。その道中では、地元のおじぃ・おばぁとの出会いあり、買い食い、寄り道ありのとても楽しいものだ。昨年の冬に第一弾を決行してからというものの、私はすっかり夢中になっている。しかし、今回はいつもと違う点があった。それは、私一人での決行ということだ。今までは友人が同行してくれたけれど、今回の行き先は「名護」。南部民には誘いづらい。また、この名護という土地も私自身初めてだった。まさに不安だらけの中のスタートなのだ。

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文学碑巡り 第2弾~波の上宮編~  

文学碑巡り 第2弾~波の上宮編~  

 

 

 三学期修了の日。この日は授業が午前中のみだった。しかし、一年間過ごした教室をあとにするのは何となく名残惜しかった。翌日から春休みが始まるのだと思うと、そのまま帰宅するのが寂しい気がした。かと言って、立地条件の悪い我が校から遊びに行けるところはそうない。だから、思い切って私は友人にこう言った。

「これから文学碑巡りに行かない?」

と。友人の返事はイエス。こうして私の文学碑巡りの第二弾が始まった。

文学碑巡りとは、那覇市を中心に沖縄県に点在する文学碑を巡るという単純なもの。前回は文学碑の本を参考にしながら歩いたが、今回は思いつきで始まったものなので、それもない。本当に行き当たりばったりのものだ。それに同行してくれた友人は文学に興味なし。因みに前回同行してくれた友人とは別の人だ。(みんなよく私のマニアックな趣味に付き合ってくれる。感謝。)それもあって、折角付き合ってくれた友人に文学碑の魅力を伝えるというのも今回の目標だったりする。

 

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