雑記帳

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文具☆愛~第二回 学習の記録~

文具☆愛~第二回学習の記録~

 

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 忘れてならない学習の記録。私はすっかり忘れていた。高校入学時から常に書くよう指示されているはずのアイツだが、なかなか習慣にならないものだ。

 

 学習の記録とは、時間管理がしやすいバーチカルタイプの手帳である。そこに何の教科をどれだけ学習したのか、一言コメントも添えて、担任へ提出するのが高校生のたしなみってやつらしい。

 

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 因みにこの学習の記録は年々進化している。私が在学しているこの三年間でも、随分変わったものだ。年数回のアンケートをもとに、学習の記録を作り直す進路部の先生方の熱意には頭が下がる。特に今年の改訂は凄かった。学習の記録に名言集がついたのだ。ドラえもんや文豪の名言を胸に勉学に勤しんでもらおう、そんなコンセプトなのか、なかなか胸にくる名言揃い。ただの学習状況を記録するだけの手帳から、一線を画した学習の記録に拍手を送りたい。

 

 しかし、改訂を繰り返すことで一抹の不満もある。それは、「今日の一言」のスペースが小さくなっていることだ。私は文章を書くことが好きだ。いや、それ以上に面と向かって話すことが苦手である。だから、文章でしか伝えられない思いがある。そんな私にとって、この文章を書くスペースというのは大変貴重なのだ。

 

 ふと、あの事件が私の頭をよぎる。あれは今からちょうど一年前のことだった。私はちょっとした行き違いから、担任に強い怒りを抱くことがあった。抑えきれないその感情から、学習の記録に長文の抗議文を書き連ねたのだ。そして、担任の先生も学習の記録に手紙を挟むかたちで返信をくれた。嬉しかった。たったそれだけのことだが、学習の記録がなければ私は自分の感情をぶつけられなかっただろう。思えば、交換日記のように言葉を交わした記憶が何度かある。他クラスに目を向けてみても、英語でやりとりしたり、絵しりとりを続けたりと他愛のない様子が見て取れる。

 

 少し面倒で忘れてしまいがちな学習の記録。それは点検する側の先生方も同じことだろう。しかし、私はやっぱり学習の記録が好きだ。卒業まで記入を時々忘れてしまうことがあっても、私は学習の記録を使い続けるだろう。

 文具☆愛~第四回シャープペンシル~

 文具☆愛~第四回シャープペンシル

 

 これまで手帳・学習の記録・ノートと書かれる文房具を題材にしてきた『文具☆愛』。今回は書く文具に焦点を当ててみようと思う。

 

 

 私が一番触れている文房具といえば、シャープペンシルだ。あの子が居なければ、何も書けず,話にならない。私の文房具たちはいつだってよく働いてくれるけれど、一番の働き者はシャーペン達だ。

 

 まず最も愛用しているのは、

 

ぺんてる シャープペン グラフレット PG505-AD

ぺんてる シャープペン グラフレット PG505-AD

 

 

である。

 

このシャープペンシルは製図の技能に特化した、いわゆる製図用シャーペンだ。製図用は低重心で重みがあるあること、芯の太さも0.9から0.3まで幅広く選択できることが特徴である。しかし製図用シャーペンはその重さから、「長時間の勉強に向いていない」と嫌煙されがち。私自身、何度も製図用に手を出しては失敗し続けてきた。しかしグラフレットはその空気を変えた。プラスチックでできているため、軽量化に成功。価格も安価なため学生向けともいえるモデルだ。このシャープペンシルに出会ってからというもの、シャープペン選びに頭を悩ますことがなくなった。文字を書くことが快適で、どんなに面倒な書取り課題があろうとも、ストレスに感じることがない。そんなグラフレットは、いまや私の右腕的存在なのである。

 

 

 もう一本、大切なシャープペンシルがある。高校入学のお祝いにと奮発して買ったぺんてる万年CIL(ケリー)だ。

 

 

このシャープペンシルの魅力は、なんといってもそのビジュアル。万年筆に見間違うようなキャップ付きのシャープペンシルなんて見たことがない。ペン本体は金属で出来ているため、全身から溢れ出る高級感。色はオリーブグリーンで、サトウキビを彷彿させる爽やかさ。ペン軸が重いため、普段遣いには向いていないが、筆箱に忍ばせておくと気持ちが上向きになれる、そんなシャープペンだ。

 

 クルトガやドクターグリップといったメジャーなシャープペンシルの裏にも、多くのシャープペンがいる。一本一本製作者の思いが込められていて、そのこだわりは使う者を唸らせる。いつまでも使っていたいと思えるシャープペンシルに出会えたことが、とても嬉しい。

 

文具☆愛~はじめに~

  文具☆愛~はじめに~

 

 私が身の回り品について語るとき、真っ先に思い浮かぶのが文房具である。私は現役の高校生だ。毎日何かを書いて、その度にまた何かを消して、過ごしている。そこに書かれたものは、数式や落書きだったり、はたまた大切な手紙だったりと色々変化するけれど、書くという本質は何も変わらない。

 

 デジタル化の世の中だ。社会に出たら、文字を「書く」よりも文字を「打つ」生活になるだろう。だからこそ高校生というのは、もしかして人生で最も何かを書いている時期なのかもしれない。そして、そんな私達をいつも支えてくれるのは文房具という存在だ。

 

 彼らは書くことから離れられない私達を支えてくれる。コンビニに行けばいつでも会える安心感に、簡単に持ち運べるフットワークの軽さ。しかも、安価ときた。彼らが居なければ、私は生活できない。そんな彼らに敬服し、その愛を表現するべく、ちょっとこだわりの文房具を紹介する本コラムが生まれたわけである。

文具☆愛~第一回 手帳~

  文具☆愛~第一回手帳~

 私が肌身離さず持っているものといえば手帳である。そして、手帳には何でも書く。テストの点数から、友達が発したダジャレまで、何でも私の手帳には記されている。まるで私の脳みそのようだ。しかもそれだけではない。私の手帳最大の特徴、それは何でも手帳に貼っていることだ。航空券も、プリクラも、ついには年賀状まで貼り付けた私の手帳は大変重い。昨年度使っていた手帳な

ど、製本が崩れてしまったくらいである。しかし、私は何ら後悔していない。それ以上に自分の手帳が大好きだ。

 

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 私が手帳を持ちだしたのは、高校合格を機に買った「ほぼ日手帳」がきっかけだ。このほぼ日手帳、コピーライターとして一世を風靡した糸井重里が作っただけあって、心をくすぐる仕組みがたくさんある。例えば、毎日のページに付いている「今日の言葉」。これがまた面白い。心にジーンと来ることもあれば、笑わせてもくれる。時間があるとついついこの今日の言葉を見返してしまうくらいだ。また、ほぼ日手帳の魅力はこだわりつくされた素材にもある。手帳の紙はあのトモエリバーだ。トモエリバーといえば、『広辞苑』にも使われているあのペラペラの紙である。トモエリバーのペラペラ具合はピカイチだが、ペラペラすぎて書き心地はいかがなものかと心配することなかれ。トモエリバーはその書きやすさ、強度もピカイチなのだ。私がほぼ日手帳を気に入っている点はそこにある。あんなにも気持よく書かせてくれる紙は出会ったことがない。

 

 

 そんなほぼ日手帳は、私の高校生活の全てを受け止めてくれている。誰にも言えないことも、手帳に書き込めば大丈夫。空白の日も文字だらけの日も色々あるけれど、手帳が重くなればなるほど私の心は軽くなり、同時に私が高校で重ねていったものは増えていく。彼は私の大切な相棒だ。