雑記帳

沖縄と民俗と言葉と本と

高校生の税の作文

 夏休みの宿題に必ず出される「税の作文」

読書感想文とともに大変嫌われているこの宿題だが、私は結構好きです。むしろ何故、みんながそこまで嫌うのかがさっぱり分かりません。

 

 USBの奥底にずっと眠っていた作文なので、ブログに載せてみようと思います。

 

 「国力の行方」 

 

 

税金とは国力である。成田空港に降り立った時、私はそう確信した。成田空港には、たくさんの外国人が居た。私は日本にあふれる新しい風を感じることが出来たのだ。

 

 私はこの夏にある人材育成事業で、ラオス研修に参加した。そこで目にした、日本の力。

 

ワットタイ国際空港からホテルまでの道のりには、日本が整備した道路が走り、街中には日本が作った学校があった。それだけではない。ラオス国立大学では、ラオス日本センターを開設。多くのラオス人がビジネス経営の知識や、日本語を学ぶ場を提供するなど、日本は技術支援にも力を入れていた。

 

 そのプラグラムの中で、私はjicaラオス事務所の所長さんに話を聞くことが出来た。所長さんは私達を前にこう尋ねる。

 

「ラオスの為にも、日本の為にもなる国際支援をするにはどうしたら、良いのでしょうか。ODAは税金で賄われています。だから、あなた達一人ひとりが考えを持つべきなのです」

 

 と。今まで税金の行方など気にしたことが無かった私はこの言葉に驚いた。税金は日本

 

の為にだけ使われるものだと思っていたからだ。今、日本が抱える問題は山積みだ。だというのに、発展途上国に対して何故このような使い方をしているのか?

 

 そして、私は考え始めたのだ。私達を取り巻く税金の形について。私は日々税金を払い、税金に助けられている。もし、税金が無かったらどうなるだろうか?インフラなどの根本的なところから、社会福祉まで崩れてしまう。私だって、高校にさえ通えたかどうか定かでない。そこであることに私は気付いた。私が必要としている福祉は本来、世界中が平等に受けるべきものであると。

 

 ラオスでは、様々な理由から初等教育を受けられない児童がたくさんいる。これも、日本では当たり前の権利だ。だから、日本はラオスの学校教育を支援する。学校を建て、先生を探す。ラオスの子が当たり前のように学校へ行けるようにと。

 

私が思うに、税金とは「思いやりのかたち」である。日本国民一人ひとりの思いが税金となって、自国のみならず、世界でも活躍する。なんて、素晴らしいのだろうか。日本がたくさんの国際協力をしているラオスは、日本へとても友好的だ。国連などでも、ラオスが日本の力となってくれるそうだ。いつしか日本がやっている国際協力が国力となる。そんなことを思った。もちろん、同じ事がラオスだけではなく、多くの国々でも言えるだろう。

 

私はもう一度、所長さんの言葉を思い出す。世界のためにも、日本のためにもなる税金の行方。それは、私達全員が考えるべきものであるだろう。これからもよい世界になりますように。日本がもっと発展しますように。私はそう思いながら、税金の重さを噛み締める。

 

 

編集後記

夏休みの終わりに軽い気持ちで書いた作文でしたが、税の作文コンクールで長い名前のついた賞を貰うことができました。副賞は3千円分の図書カードです。税の作文が好きになりました。