雑記帳

沖縄と民俗と言葉と本と

通信制大学で教員免許(国語)を目指した話①

 

 通信制大学佛教大学)の科目等履修生となって、足りない単位を補充し、教員免許所得を目指していた。そしてこの度めでたく単位を無事に取得。通信制大学についてのネットの情報は少なく、自分自身手探りのなかの日々だったので、自分の体験を書き留めようと思う。

 

 1.はじめに

 まず、前提。2020年3月に大学卒業、4月からは大学院生。大学在学中には、国語(中学・高校)、地理歴史の教員免許のほか、学芸員資格を目指していた。ここでわたしの欲張りっぷりがわかる。大学によってはそんな無茶苦茶履修は許さないんだけれども、私の大学は何でもオッケーだった。学芸員資格の方は教員免許と比べて単位も少なく、大学3年の夏に実習に行った。大学4年生で教育実習に行けば教員免許の方も大学卒業と共に得られるはずだった。

 しかし、私はここで一年間の台湾留学に行く。もともとは1年間留学するなら、その分だけ卒業も延ばす予定だった。でも大学院にも興味があり、さらにはこれまで取得してきた単位だけでも十分卒業できる……。と、いうわけで1年留学からの、大学院進学が決定した。*1

 

 

 ここでの問題は、2つ。

まず、国語科指導法3単位の取りこぼしがあること。(国語と地歴の複数教科の教員免許を目指す人は少なく、それゆえ時間割が被っていたため取れてなかった)それから、教育実習と教育実践演習が行えていないこと。

 

 そこで、通信制大学に科目等履修生になって単位を取ることとなった。

 

 ちなみに、ややこしいんだけれども教育実習は附属高校をもっている母校の大学でやった方が良いだろうとのこと*2で、教育実践演習も同様。その為、まずは母校の科目等履修生になった。

 取りこぼしている国語科指導法も母校で取れたら良かったんだけれども、どうしても大学院のゼミと時間割が被る。私の中での優先順位は「大学院>国語教職」だったので、この時点で国語教職を諦めようかと思った。ただ、あと数単位で免許が来ること、地歴教職は高校のみの免許で、中高一貫校を視野に入れた時にどうしても弱いこと等々考えた時、大学の先生から通信制大学のことを提案された。

 

ここまで整理

・2020年3月大学卒業(ちなみに教育学部ではない)

・2020年4月大学院 入院(ちなみに教育研究科ではない)

→つまり通学制の大学の方でレポートの書き方などは学んでいた。さらに私の在籍している大学(院)は北関東の教育が有名な国立大学(ほぼ名前を書いてる)だったことから、図書館には教育学関係の本や論文雑誌が多く、さらに先生方にも相談できる環境であった。(これは通信制大学で学ぶうえではかなりのアドバンテージとなった)

 

・国語教員免許(中高)と地歴教員免許の取得を目指し、ほとんどの単位を取っていた。通信制大学で履修したのは、国語科指導法のみ。

・同時期(2020年4月から一年間)には母校の科目等履修生にもなり、教育実習と教育実践演習を履修した。(している)

 

2.通信制大学を選ぶ

 専門は教育ではないが、教職の勉強をなかなか面白く感じていたため、通信制大学で国語教職を最後まで取り切ることに決めた。(ちなみに地歴教職は教育実習と実践演習を除き、卒業までに取り切ることができた)学部生をもう一年やるより学費も断然安く、貰っていた奨学金で賄える範囲だったのも大きい。

 

 ここで、考えなければならないのは二点。まず、いつ通信制大学に入るか。そしてどこの通信制大学にするのか。

 いつ、に関して言えば、早いうちにやろうと思った。大学院修士1年は自分の研究に加え、ゼミも多く大変なのは聞いていた。また夏休みには日本史で1か月間教育実習に行くことが決まっており、かなり忙しくなることは予想された。ただ、専攻は教育ではなく、修士二年やその先だと自分の研究で手いっぱいになるだろう。専攻と離れたことに挑戦できるのも修士一年のうちだと思い、2020年4月入学を決めた。教育実習のために母校の科目等履修生にもなっているので、三重学籍である。(科目等履修生は複数の大学に在籍することができる)

 

 問題はどこの通信制大学にするのか、であった。私のなかで大事にしていたのは次の点。

・学費の安さ

→一単位あたり学費がかかるが、それ以外にも入学金(?)や受験料など意外と学費がかさむ。国立大学の方が一単位あたり高く、私立大学はピンキリという感じだった。やはり私立は有名校の方が高いイメージ。

 

・スクーリングの有無

→母校の方で科目等履修生にならなかったのは、時間割の都合によるものだった。その為、時間の融通がどれほどきくのかは大事だった。

 

・テスト形式

→私は沖縄と北関東を行ったり来たりしているので、テスト会場に行って試験を受けるのはなかなか難儀であるように感じた。また、何かを暗記するようなタイプの学習は好きではなく、できるだけ論述型の試験なりレポートで評価されたいと考えていた。

 

 

 この三つの基準で探した際、最も適しているのが佛教大学であった。佛教大学、学費の安さも魅力だったが、数年前からオンライン上でテストが受けられること、しかもテストは毎月行われ受験期限が2日あること、(ここからテストが論述形式であると予想されること)が決め手となった。北関東に住んでいるため、できるだけ関東の大学にした方が何かあった時便利かと思ったけれど、スクーリングの予定もないし、単純に京都なら旅行に行きたい気もした。

 

 なお、大学のネームバリューは一切考慮に入れなかった。通信制の有名大といえば、慶應や日大、教育系なら玉川大学が真っ先にイメージされたが、科目等履修生の場合、履歴書に書くわけではないし、取りこぼした単位を取る事しか考えていなかった。

 

3.手続きと思わぬパプニング

 手続きは簡単だった。佛教大学通信学部のパンフレットを請求し、それを見ながらインターネットで申請した。たしか、3月31日とかぎりぎりに行った気がする。その後、必要書類を郵送で送ったり、学費を振り込んだら手続き完了。国立大学は直接申請書類をもっていかなければならなかった為、佛教大学があまりにアッサリしていて不安になった。

 

 想定外だったのは、申請してから入学キットが届くまで二か月近くかかること。早めに申請すればそれだけ早めに取り掛かれるので、さっさと申請すれば良かったなあと思った。

 

 もう一つが単位互換の問題。国語科指導(中高)は8単位必要である。私は母校で国語科指導法のうち5単位を既に取っていた。留学中に開講されていた3単位分を佛教大学で履修できればと考えていた。しかし、どうやら単位互換がうまくいかない。国語科指導法の8単位は同一大学でとった方が良いとのこと。その為、泣く泣く8単位分の申請となった。これは想定外だった……。単位のために学んでいるわけではないけれど、そのことが最初から分かっていれば、卒論書きながら国語教職で苦しまずに済んだのに……とあの一限の日々を思った。学費は単位あたりでかかるので、当初想定していた学費よりも高くついた。

 とはいえ、母校の方で取っていた国語科指導法5単位分の学びが、佛教大学での学びをスムーズにしたことは間違いなく、さらには教育実習でも大変役立ったのでまあ良いのだ……。科目等履修生ではなく、正規生なら単位取り放題なので興味のある科目は受講した方が良いなと思う。

 

 

 

 長くなるので、ここで一旦切る。次回はレポートとテストについて書けたら良いなあ。つづく。

*1:4年生の夏に帰国し、卒論を書きながら授業も履修し、院試を受けるのは楽じゃなかったけれど

*2:附属高校の方が融通がききやすい、私が関心をもっている教育を行っている、大学院の授業と被らない日程で実習ができるの三点が主な理由だった